2016年9月25日日曜日

Androidスマートフォン用ヘッドホンリモコンの自作



スマートフォンで音楽を聴きながらランニングしているときに、ワイヤードリモコンで音量を調整したり曲をスキップしたいとずっと思っていました。
しかしAndroid対応のヘッドセットでは気に入ったものが見つかりませんでした。具体的には「開放・オーバーヘッド・オンイヤー型で音量ボタンつきの軽量なヘッドセット」という条件で適当なものが見つかりませんでした(iPhone/iPod向けであれば存在しました)。
「音量ボタン(+-ボタン)付き」という条件が厳しいように見え、アナログボリューム装備の製品であれば数多くありました。しかしアナログボリュームコントロールはモバイル-特にランニング向けのUIとしては適当なものではないと思います。

そこで、既存のヘッドホンに接続する音量+-ボタン付きのリモコンを自作しました。
回路に必要な資料は次のAndroid公式サイトに完全なものがありました。




この資料に基づき、マイクの内部抵抗から音量ボタンに直列する抵抗値を計算しました。
そしてタクトスイッチ、抵抗、ユニバーサル基板、4極3.5mmプラグ、3極3.5mmジャック、マイクユニットを用意しました。マイクは100均のヘッドセットから流用しました。
ケースは防水ビニール袋的なものに入れましたが、もっとちゃんとしたものにするかもしれません。

自作したAndroidスマートフォン用ヘッドホンリモコン - 後ろにあるのは片出しコード化Porta Pro
スイッチは左から音量-、再生(次、前の曲)、音量+

作った結果、機能的にはきちんと動作するものになりました。しかしブラインド操作に難がありタクトスイッチの配置等になにか工夫が必要だと思っています(このような「触り心地の良さ」という点において、EarPodsのリモコンは最高のものだと思います)。
なお音量+-ボタンのサポートは上述の資料によるとオプショナルなものということなので、端末によって動作しないかもしれません。手元のAscend P7/P8 liteでは動作しました。Galaxy等でも動作しそうです。

ちなみにiPhone/iPodのヘッドホンリモコンの規格はAndroidと違い公開されていないようです。
リバースエンジニアリングした情報を以下のサイトで見ましたが、わりと複雑な信号が必要で、受動素子だけでボリュームをコントロールするのは難しいようです。
その結果、多分関係するパテントを回避して互換品を作るのは難しいことになっているのだと思います。




なお、今回やりたかったことは、Bluetoothヘッドセットでもできるのですが、ワイヤレスのメリットを享受できる反面、今ひとつの部分(使いにくい3ボタンUIモデルが増えている、通信障害の問題)もあり、使い分けをしています。

L Garmin vivoactive
R StayHere状態のEarPods


2016年3月31日木曜日

スマートフォンのGPSの測位が終わらない問題の解決

先月、「GPS測位が完了しないのでランニングを始められない」という記事を書きました。ホットスタートもしくはウォームスタートできそうな状況なのに、どれだけ待ってもスマートフォンのGPSの測位が終わらないことがある問題で悩んでいると書きました。

この状態になったときには「GPS機能を一度オフにし、すぐオンにする」と正常な状態に戻るようです。P8liteの場合はショートカットのGPSアイコンを2回タップします。
これは見かけ上GPSがオンになっているのに、実際にはオフになっている状態に見えます(A-GPSデータ取得とは関係ないようです)。もしかするとこの機種の独自の省電力機能が影響しているのかもしれません。

そうだとすると、その操作を自動的にやってくれるようなアプリがあれば便利です。そこで「GPS常時測位」というアプリの動作がそれに近いので、今試していますが極めて快適な状態になりました。問題は解消したみたいです。
このアプリは消費電力の面で不利なのかもしれませんが、いつ落ちているかわからないといったGPSの動作状態への不安がなくなりとても便利です。

ところで、最近GARMIN vivoactiveという、GPS内蔵のランニングウォッチを購入したので、スマートフォンのランニングアプリは今後はあまり使わなくなるかもしれません。こちらもとても便利なので、機会があればレビューしようと思います。

2016/7/31 追記: この問題はAndroid6.0にアップデートしたところ解決したようです。

2016年2月27日土曜日

GPS測位が完了しないのでランニングを始められない

GPS測位の悩み


最近の悩みに、時々スマートフォンがGPSの衛星を捕捉できないため、なかなかランニングを開始できないことがあります。寒空の下で、現在位置の測位をただ待つのは、もどかしいものです。

不思議なのは、良い条件と考えられるとき(最新のA-GPSデータをあらかじめ取得し、空が開けた場所で、晴れている)であっても、全く測位できないと思えば、逆に悪条件であっても即座に測位が完了することもあることです。
P7やP8liteでこの現象に悩まされていますが、これらの機種固有の問題かどうかはわかりません。
測位できない状態になってしまったときは、端末をリブートしたり、GPS利用設定をON→OFF→ONとすると、正常な状態に戻ることもあったように思えます。
このとき、GPSアプリ(GPS Status & Toolbox)のA-GPSデータをダウンロードしてエフェメリスを獲得する機能の効果はよくわかりませんでした。
なお、P8liteの測位後の位置精度は特に問題ないと思います。

この現象は外形的には、「開けた場所に立って、数時間スリープした端末のGPSがホットスタート(少なくともウォームスタート)することを期待したのに、なぜかコールドスタートになってしまう。そして端末をリブートするとホットorウォームスタートした」ようにも見えます。

他のGPSデバイス(iPhoneなど)がすぐに測位が終わるようなシチューションであっても測位が終わらない印象もあります。これはソフトウェア的な問題が原因になっているのかもしれませんし、GPSチップ製品の性能差もそれなりにあるようなので、結局のところ何が原因かはよくわかりませんでした。
GPSの位置情報提供はベストエフォート型サービスですから、性能を気にしすぎても仕方がない面はあるのかもしれません。しかし、少なくとも受信側はベストな状態に保ちたいので、これからも情報を集めたいと考えています。

アプリ利用時の影響

  • Nike+ Running App (Andoroid)
    • アクティビティが走行ペースモードで記録されてしまう。
    • ランニング開始ボタンをタップされてからGPS捕捉が一定時間成功しないときは、走行ペース記録モードになるようです。
    • 測位できなかった区間のデータは走行距離に加算されない仕様に見えます。
  • Endomondo (Andoroid)
    • 測位できなかった区間のデータは直線的に走行したとして走行距離に加算される仕様に見えます。このためNike+ Running Appよりも走行距離が長くなる傾向があるようです。
資料

手元にあったGPSロガー
上からGARMIN eTrex Venture、HOLUX M-241、PhotoTrackr DPL-900

2016年2月13日土曜日

HUAWEI P8liteとランニング

HUAWEIのスマートフォンP8liteをランニング時に使っています。
スマートフォンはランニングに使うには少々大きく重いと重いますが、ランニングに対して利便性が高くやりたいことがほとんどできてしまうので使っています。
私がランニング時に求める機能は、音楽を再生すること、計測をして記録を残すことです。ちなみにこれらは割り切ればiPod nano(7th)だけでも可能です。

私がランニング時に使うアプリは次のようなものです。
  • 計測アプリ
    • 走行距離などを確認することができます。GPSや加速度センサーを活用します。
    • 走行後にWebで確認することもできます。
    • Nike+ Running、Endomondo、Runkeeper、Sports Trackerなどを使っています。一長一短で定まりません。
  • 音楽アプリ
    • 標準音楽アプリ、Power Amp、Amazon Music、Google Play Music
  • ラジオアプリ
    • Radiko、NHKネットラジオ らじる★らじる
  • タイマーアプリ
  • そのほか
    • LINE HERE(現在位置を家人に知らせます)、LINE
P8liteは、ハード的にもソフト的にもとてもよくできたスマートフォンだと思います。以前は同じHUAWEIのAscend P7を使っていましたが、それよりもずいぶん動作が軽くなりました。その前はiPhone4Sを使っていましたが、あるOSのバージョンからしょっちゅうアプリが(メモリ不足で)killされるように見え、計測ニーズに対して致命的に感じられ使わなくなりました。
ところでHUAWEIのスマートフォンには「アプリの保護」という機能があります。アプリごとにバックグラウンド動作をするかしないかを指定する機能で、デフォルトは「バックグラウンド動作しない」なので、上記のアプリのようにバックグラウンド動作が前提のものには注意が必要だと思います。

P8lite(左) と Ascend P7(右)

2016年1月13日水曜日

iPod nano 第7世代のフィットネスアプリがクラッシュする問題

iPod nano 第7世代をランニングに使っていて悩んでいたことがあります。それは、ある時期からフィットネスアプリがワークアウト進行中に突然クラッシュしたり、システムがまるごと突然シャットダウンするようになったことです。この不具合が発生すると、音楽の再生が意図せず止まり、その上フィットネスの記録が残されないことになりますから、ランニング中にとてもイライラしたものでした。

この問題は私の環境ではiPodソフトウェアを1.0.2に戻すと発生しなくなりました修正済みの不具合が再度発生しているかもしれませんが、特に気になることはありませんでした。
この現象の情報をソフトウェアのバージョンごとにまとめました。
  • 2012.10 iPod nano(第7世代) 発売
  • 2012.10 ver.1.0.1 問題はない。
  • 2012.12 ver.1.0.2 問題はない。
  • 2013.12 ver.1.0.3 問題が発生する。フィットネスアプリ実行中にシステムが突然シャットダウンする。Appleサポートコミュニティで話題になっていた
  • 2015.8 ver.1.0.4 問題は解決していないらしい
  • 2015.7 ver.1.1.x 現在販売中のiPod nanoにインストールされている。上記の問題がどうなったかはわからない。
なおiPod nano 第7世代自体のレビューもいつか書きたいと思いますが、ランニングに適したとても良いDAPだと思います。特にそれ以前のクリックホイールを採用したiPod nanoと比べてハードウェアキーが使いやすいと思います。ワイドFMに完全に対応してほしいものの、それ以外の大きな要望はありません。手元では上記の不具合が解消され快適に使用しています。

iPod nano(7th)
奥はiPod shuffle(4th), iPod nano(3rd)

2016年1月5日火曜日

JVC HA-EB75のレビュー

JVC HA-EB75は、ランニングしていても耳から外れにくいイヤホンです。防滴仕様なので雨が降りそうなときに使っています。

JVC HA-EB75
私はカナル型イヤホンがランニングに適していると思ったことは一度もありません。どれだけ工夫しても着地したときの衝撃が不愉快で大きなノイズとなるからです。ランニングには非カナル型のイヤホン・ヘッドホンが快適に使えると思います。加えてオーバーヘッドタイプのヘッドホン(Porta Proなど)がもっとも安定装着して使えると思いますが、スポーツ向けに作られた製品がとても少ないので、次のようなイヤホンタイプも試しました。

BOSE SoundSport in-ear headphonesは非カナル型で、良い音質で、StayHereチップのおかげで耳によくフィットしました。しかし高価です(私は購入していません)。

Apple EarPods with Remote and Micは非カナル型で、スタイリッシュでありながら操作性の良いリモコンがつき、ほどほどに良い音質で、それほど高価ではありません。しかし、ランニング時にしばしば耳から落ちました。(余談ですがEarPodsをヘッドバンド化したら最高のランニング用ヘッドホンになるかもしれません。それからEarPods用のStayHereチップ的なものを自作したことがあるので記事をいつか書こうと思います)

JVC HA-EB75は非カナル型で、悪くはない音質で、とても安価で、防滴で、ランニング時に耳から落ちることはまずありませんでした。リモコンは国内モデルにはついていません。総合的に最高の製品とまではいいにくいのですが、ランニング時に耳から落ちない点から時々使っています。スポーツ向けイヤホン・ヘッドホン製品の装着安定性の良し悪しはとても重要だと思います。

JVC HA-EB75 Apple EarPods with Remote and Mic BOSE SoundSport in-ear headphones
価格
(yodobashi.com)
¥1,330 ¥3,780 ¥12,420
¥16,200(リモコン)
タイプ オープンエア オープンエア オープンエア
音質
ランニング時の安定性 ×

工夫
  • クリップと本体の隙間が大きく遊びがあるので、テープで巻いて振動を抑えています。
  • 左ユニットと右ユニットの区別がややつきにくいデザインです。左チャネル側にシールを貼っています。
クリップのスライド機構
  • クリップをスライドさせることができますが、最小状態でも私には大きく感じます。この機構は誰に対してもフィット感を高めることができそうなものなのに、もったいないと思います。

海外モデルのHA-EBR80にはアップル製品向けのリモコンがついています。ほかにもJVCの海外サイトにはおもしろそうなイヤホンがありました。

2016年1月4日月曜日

KOSS Sporta Proの魅力

私は、KOSS Sporta Proというヘッドホンをランニング・ジョギングに使っています。
Sporta Proは、耳から外れにくい、タッチノイズが少ない、音質が悪くない、軽量、畳める、高価でない、メンテナンスが難しくない、などランナーにとって好ましい特長があり、とても気に入っています。私は最高の製品だと思っています。
Sporta Proの特長を説明します。

Sporta Pro 
(奥はBluetooth化Sporta Pro)

Sporta Proは軽量で使いやすいオンイヤーヘッドホンです。

イヤホンと比較すると、オーバーヘッド型ヘッドホンは側圧を保持する点で有利なため、ランニング時に耳から外れにくく好都合です。また、ほとんどのアラウンドイヤーヘッドホンよりも軽いと思います。そして、小さくたたむことができるので持ち運びしやすく便利です。

Sporta Proはタッチノイズの少ないオープエア型です。

ランニング時の擦れ音(タッチノイズ)が、カナル型イヤホンより圧倒的に小さく、多くの密閉型ヘッドホンと比較しても小さいようです。遮音性はオープンエア型でないヘッドホンよりも低いですが、ランニング用途として問題なく使用できると思います。

Sporta Proは音質が悪くありません。

ランニング用途に対して問題がないとても良い音質だと思います。よく低音が豊かであるとか元気がでる音といった評価を見かけます。

Sporta Proは高価ではありません。

3000~4000円くらいで売られているようです。同じKOSSでコンセプトが似ているPorta Proよりも安価です。Porta Proのほうがスタイリッシュかもしれませんが、音に関して私にはPorta Proと区別がつきませんでした。
高価ではないので、いろいろな実験を気軽におこなうことができるかもしれません。たとえばBluetooth化、アップル製品やAndroid向けのリモコン付きマイクの移植、揺れや遊びが原因のがたつきノイズの静音化などができるでしょう。

Sporta Proはメンテナンスが比較的容易です。
  • ヘッドホンユニット付近の断線は、リッツ線の再ハンダ付けで修理することできます。ハウジングのあるパーツを注意深く抜き取ることで、よく断線する部分が露出します。この部分は非常に強い力でヘッドホンユニットからケーブルを引っ張ると断線することがあるようです。
  • Sporta Proに限りませんがプラグ付近の断線も新品のプラグをハンダ付けして修理することができます。
  • イヤーパッドは互換性のあるパッドと簡単に交換することができます。
  • フィルム振動板のビビリを直すにはコツが必要です。フィルム振動版の劣化が原因である場合は対処が難しいと思います。
  • ヘッドホンユニット周辺のプラスチック成形部品の「欠け」「割れ」はDIYによる対処が少し難しくなりそうです。
  • ヘッドホンユニット内部の断線、故障は簡単に対処できないと思います。